そこにいること

今でこそ仕事で料理やポートレイトも撮っている私ですが、カメラ屋でアルバイトをしていた二十歳の頃から、かれこれ二十数年撮り続けているモチーフがあります。(うわぁ、もうすぐ四半世紀か…)

「街のポートレート」と名付けているのですが、町歩きのさなかで見かけるちょっといいトコロやモノを、ちょっといい感じに撮る、ってものです。必ず人の作ったものが入りますし、距離感としても風景写真ではないのでカテゴライズしにくいのですが。

展覧会などで発表した際は「どうやってこういう場所を見つけるの?」とよく訊ねられますが、これは “ひたすら歩く” しかありません。町なか、路地裏、商店街に工場地帯と、ずっと歩き回って撮影しています。もちろん歩いているだけでは見過ごしてしまうものも多いので、キョロキョロしながら(側溝に落ちたりもしながら)。

いろいろな人の写真を見ても思うのは、やはり写真というのは “そこにいて、カメラを持っていて、それに気づいた” というだけで殆ど決まりだということ。どんなシャッターチャンスや撮影技術も、まずそこにいないことには始まりません。

皆さんがいつも通勤に使っている道すがらでも、写真に切り取ると素敵な場所がきっとあるはずです。ちょっと目線を変えるだけで、世界が変わって見えるかもしれませんよ。

<F>